聖夜の約束
夏姫は会社を一刻も早く出たかった。


長谷川が社内メールで会おうと送ってきた。


夏姫はそれどころではなくて断った。


(鳥居さんとちゃんと話して欲しい・・・)


鳥居さんにも会わないように部屋を出た。


(でもあたしのせいなのかも・・・誘いにのってうれしかったんだし・・・)





エレベーターを降りてロビーを横切る。


一流商社らしく警備員は数人立っている。


「夏姫さん!」


夏姫はレイの声にビクッと肩を震わせた。


(レイくん・・・)


ロビーのソファーにレイが座っていたのだ。


レイが立ちあがって長い足で近寄ってきた。


「ど、どうしたの?」


「迎えに来たんだ」


微笑むレイに今日初めてホッとした気分になった。

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