たいよう


「そらは、何も知らない」



ポツリ、と優がいった。
あたしは、何もいえなかった。



「そらも紗愛と考えること一緒。アイツも、あの指輪をチェーンに通して肌身離さず持ってる」




すう、とこぼれた。




「紗愛はそらに何も言わなかった」



けどさ。
と優は一回言葉を切った




「忘れたくても、忘れられないんだよ」






優の顔が見れなくて、そっとそらして見たのは窓の外。




あーそらはやっぱり足、速いね。






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