【気まぐれ短編】真夏の夜のサンタ。
だってその人影は…


赤と白の帽子に洋服。


そう…海から出てきたのはサンタクロース。


そのサンタクロースは私の足の前にサンダルを置き私に問いかける。


『一人?こんな所で何してるの?』


…これは…

夢だろうか…
願望だろうか…


夢ならわがままも通るかな…。


「…私…置いて行かれたの…サンタさんなら私のお願い聞いて?私を家まで送ってくれませんか?」


その問いかけにサンタさんはにっこり微笑んで頷いた。


『じゃあ車を取りに行ってくるから道路の脇で待ってなさい』


そう言うと浜辺から突然現れたサンタさんは走って行ってしまった。


私はサンダルを持って道路の近くまでゆっくりと歩いた。


道路の脇に着くと直ぐに真っ赤なスポーツカーが止まって運転席からサンタさんが手を振っている。


私はぺこりと頭を下げてサンダルを履いてから助手席に座った。



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