永久色-TOWAIRO-
健がよそよそしくテレビをつけた。
きっとアタシがこんな状態になって動揺が隠せないんだろう……。
『───続いてのニュースです。
木之下グループの社長、木之下智也社長が交通事故になり重体とのことです。』
────!!
いや……っ。
『木之下社長は昨日信号無視をした乗用車に──』
いや……っ!!
『木之下社長は───「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「彩っ!!彩っ!!「ごめんなさい……!!ごめんなさい……!!ごめんなさい……っ。」
テレビの音が頭の中で響く。
「大丈夫だからっ……落ち着いて……なっ?」
健が必死にアタシを落ち着かせようとしている。
いつの間にかニュースは終わってトーク番組がやっていた。
「健……怖いよ……。アタシ、どうしたらいいの……?」
健の胸にしがみつきながらアタシは自分の感情がどこにいってしまったのかわからなくなっていた。
「大丈夫、俺がそばにいるから。
ごめんな。俺がテレビをつけたから……。」
ごめんね。
アタシは結局は何もかわれない弱虫な彩のままだね。
健に負担ばかりかけて……。ヒドイよね……。