永久色-TOWAIRO-
健はアタシが落ち着きを取り戻すまでそばにいてくれた。
「ごめんね……。
彼氏の目の前なのに……。アタシ、元カレ思い出して……騒いじゃって……。」
「平気。なんとなく、彩が元カレのこと引きずってるのわかるもん。
しょうがないよ。」
本当に、本当にしょうがないの一言で済ませちゃっていいの……?
心のどこかで健も傷ついてるんじゃないの?
アタシが智也を思っていて嫌じゃないの?
「彩に初めて会ったとき、まるで脱け殻みたいだった。何もかもつまらなそうで笑っていても本当の笑顔じゃなかった。
付き合ってからも、時々不安そうな笑い方してたんだよ?」
健の一言一言がアタシのなくなったはずの感情を大きく揺らし始めた。