私13歳 知的障害の妹をもって~障害が奪うモノ~


―自分がいなければ、傷つかない……



夜中、お風呂場からカミソリを持ち出して、

ゆっくり、手首を伝わせる……



―ツー……


と、血の伝る感触。



―こんなもんか。普通。



痛みに強かった私は、この程度に思っていた。


もちろん、それくらいで死ねるわけなくて。

何回も、何回も繰り返す。



そのうち、手首じゃ足りなくなって


だんだん腕に傷が移っていった。


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