ブラッディ アリス


「…ふぅ…」


そして次に座るは、一応…世界で4番目と言われている国…アリエス国貴族代表アリス・アベル…18歳。

いつも退屈そうにしているアリスだが、実際のところ…アベル家当主としての責務は重大。

農業国であるアリエスの国土ほぼ全域を領地とするアベル家は、国内の農家や農産物の水準管理、物資輸入出の運営などを司る。

マリーナ家も同様だが、アベル家は王家からの委託を受け、代々そのような業務を行ってきた。
ただ…水産業全てを管轄するマリーナ家と違い、アベル家は王家と協力してやっているため、アリスが当主に就任したばかりの今は、ほとんど王家が執り行っている。

それもあって、アリスはいつも「退屈」だと呟く。

まだ16歳だったアリスが、父の遺言により当主に選ばれたのは…すでにそれだけの執務をこなせる能力があるからだというのに…。




「…アリス…緊張しているのか?」


「…え?…そんな事ありませんわ…。レウム様…」






< 132 / 657 >

この作品をシェア

pagetop