ブラッディ アリス
「…ふぅ…」
そして次に座るは、一応…世界で4番目と言われている国…アリエス国貴族代表アリス・アベル…18歳。
いつも退屈そうにしているアリスだが、実際のところ…アベル家当主としての責務は重大。
農業国であるアリエスの国土ほぼ全域を領地とするアベル家は、国内の農家や農産物の水準管理、物資輸入出の運営などを司る。
マリーナ家も同様だが、アベル家は王家からの委託を受け、代々そのような業務を行ってきた。
ただ…水産業全てを管轄するマリーナ家と違い、アベル家は王家と協力してやっているため、アリスが当主に就任したばかりの今は、ほとんど王家が執り行っている。
それもあって、アリスはいつも「退屈」だと呟く。
まだ16歳だったアリスが、父の遺言により当主に選ばれたのは…すでにそれだけの執務をこなせる能力があるからだというのに…。
「…アリス…緊張しているのか?」
「…え?…そんな事ありませんわ…。レウム様…」