ブラッディ アリス


そんな二人の会話を聞きながら、隣でクスクスと笑うのは…ウィルゴ国貴族代表イザベラ・ヴァイオリア、32歳。

見た目通り陽気で活発な性格の彼女は、当主就任の1年後…6年前に最愛の夫を事故で亡くし、今は一人娘と先代の実母と共に暮らしている。

先ほども言ったように、ヴァイオリア家は世界最高級エステサロンを経営。
同時に美容専門の研究所や学校を創り、「ヴァイオリアグループ」は世界の女性が憧れる大企業である。


「ふふ…。ねぇ、ミカエル。アリスにフラれたら、レウム様の愛娘を嫁にもらったら?」

「な…?!…そんなこと申し出たらレウム様に殺されますよ」

「…セト家のご息女を落とせばいいんじゃないのか?…お前の自慢の大砲でな」

「…それ…どういう意味ですか?ソーディル様」

「あはははっ。やっぱりソーディルは面白いわねぇ!」


相変わらず賑やかな組み合わせの横では、穏やかで優しい雰囲気が漂う。


「具合は大丈夫かい?フォル」

「平気よ…、ウィッシュ。そんなに心配しなくても大丈夫よ」


『貴族界の長』であり、『貴族界の父』とも謳われるリブラ国貴族代表アダム家当主、ウィッシュ・メルラッテ・アダム。

そして横に座るのは、『貴族界の母』として慕われているスコルピオ国貴族代表イヴ家…女性当主、フォルチュナ・ジブ・イヴである。





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