ブラッディ アリス



「…!」



そのラビの一言に、一瞬目を見開くアリス。



「…怯えているように…見えた…?」


冷静に言葉を返すアリスに、ラビは「ふっ」と鼻で笑う。


「いや…違うんなら…いいんだ…」


「……そう…」






二人はエレベーターが止まるまで…そのまま抱きしめ合っていた。






今…顔を見られたら…。


今…顔を見てしまったら…。






兎は少女の秘め事を、何としてでも聞き出そうとするだろうから。





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