ブラッディ アリス




「ふ…。相変わらず…お元気そうですね…アリス様…」

場内ではもう一人…じっと少女を見つめる影…。

そんなこと、当の本人は知るはずもなかった。


「…本当に…本当にアリスを誘えば…父上を治してくれるの…?」

震えるもう一方の影が、カジノの奥のカーテンに揺れる。



その問いかけに、ニヤリと微笑む口元には…ゆらりと煙の立つタバコ…。




「ええ…。お約束いたしますよ…。ラピスラズリ家ご当主…カルサ様」






< 159 / 657 >

この作品をシェア

pagetop