ブラッディ アリス



「…あれ?カルサは?」


女性陣を引き連れたクラウドが、爽やかな表情でアリスたちのテーブルまでやってきた。


「えー?クラウド…一緒じゃないの?」
イザベラが不思議そうに聞き返す。


「きゃー!ゾディアックの方々よ!」
「気づきませんでしたわ!」
「本日は皆様お揃いで…どうなさったんですか?」

クラウドに纏わりついている女性陣が、ゾディアックの面々を見てさらに騒ぎ始める。

「…無礼だな…。どこの国の者です…?」
ソーディルはゆっくりと席を立ち、鋭い目で女性陣を睨んだ。

「まぁまぁ…そんな…いつもより怖い顔しないでよ…ソーディル」

クラウドはソーディルを宥めると、笑顔で女性陣に目を向ける。

「みんな…ごめんね…。すぐ行くから…一番広いVIPルームにいてくれないかな?」

「わ…わかりましたわ…!お待ちしております!」

女性陣たちは若干ソーディルに怯えた様子で、足早にVIPルームのある方へ去って行った。


「いつもより怖い顔って…あははっ…」
クラウドのさりげない一言に笑うイザベラ。

「…ねぇ…カルサはどこに行ったのかしら…?」
そんなイザベラを横目に、心配そうなフォルチュナがクラウドを見つめた。


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