ブラッディ アリス




もうすぐで日が替わる時間にも関わらず、カジノの賑わいは先ほどよりも増していた。


部屋を出たアリスは一人、来た道を戻る…。


「…あの匂い…人身売買……ラピスラズリ家……私だけ…私だけの理由…」

アリスはブツブツと呟きながら、カルサの話を思い出す…。



………ふわっ……


「…!」

一瞬…歩くアリスの前に、通り過ぎる冷たい風。
その風にのって、『あの匂い』が鼻をつく…。

「…あ…」

瞳に映る、見覚えのある後ろ姿…。

その人物は、早足で出入り口へと向かって行く。


「…やっぱりね…!」

アリスは走り出すと、慌ててその後を追った。





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