ブラッディ アリス



「…あれ?アリスじゃない…?」


ちょうど近くでゲームをしていたイザベラとソーディルが、走っていくアリスに気づいていた。

「ラビとは会わなかったのか…?」

「そうみたい…ね。教えてあげた方がいいかしら?」

イザベラは執事のアミに合図をする。

「はい」

アミは素早くイザベラにケータイを渡す。

「…待て。…その必要はない…」

アドレス帳からラビの名前を出そうとしていたイザベラに対し、何かを思ったように言うソーディル。

「…アリスを追うぞ…」

「…え?」

一人歩き始めるソーディルに、何も言わず就いていくのはソーディルの執事ジュラ。

「ちょっと…ソーディル?!」

二人の後を慌てて追いかけるイザベラとアミ…。


「…ったく…。人に興味を持たないあなたにしては、珍しい行動ね」

「…ふん…あいつはまだ子どもだからな…。…それに…」




カジノ内には、すでにアリスの姿は無い…。





「…あの執事は…、アリスに似合いすぎるほど…できる男だ…」




< 175 / 657 >

この作品をシェア

pagetop