ブラッディ アリス
「…あれ?アリスじゃない…?」
ちょうど近くでゲームをしていたイザベラとソーディルが、走っていくアリスに気づいていた。
「ラビとは会わなかったのか…?」
「そうみたい…ね。教えてあげた方がいいかしら?」
イザベラは執事のアミに合図をする。
「はい」
アミは素早くイザベラにケータイを渡す。
「…待て。…その必要はない…」
アドレス帳からラビの名前を出そうとしていたイザベラに対し、何かを思ったように言うソーディル。
「…アリスを追うぞ…」
「…え?」
一人歩き始めるソーディルに、何も言わず就いていくのはソーディルの執事ジュラ。
「ちょっと…ソーディル?!」
二人の後を慌てて追いかけるイザベラとアミ…。
「…ったく…。人に興味を持たないあなたにしては、珍しい行動ね」
「…ふん…あいつはまだ子どもだからな…。…それに…」
カジノ内には、すでにアリスの姿は無い…。
「…あの執事は…、アリスに似合いすぎるほど…できる男だ…」