ブラッディ アリス




カジノを出たアリスは、昇っていくエレベーターを見つめていた…。


「……そこに…なんの用が…?」


アリスはエレベーターが止まった階を確認すると、慌ててもう一つのエレベーターに乗り込んだ。


「……」


ガラス張りのエレベーターから見える…闇に映える無数のネオン…。

アリスは自分の鼓動を感じながら、じっと外を眺める。

「…タバコの…甘い匂い…」

そしてゆっくりと瞼を閉じて、呼吸を整える。


「……薔薇色の……瞳……」






「…血のように…赤い…瞳…」






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