ブラッディ アリス
Ⅴ
二人はとりあえず一階に降りた。
ちょうどキオネがアリス達を呼びに行くところだったらしい。
「アリス!執事が来てますわよ!」
その言葉に少し動揺しながら、アリスとカイルは客間に向かった。
「……ラビ…」
客間に座っていたラビは、アリスを見るなりにっこりと微笑んだ。
「私に何も言わず外出とは…。心配しましたよ。アリス様」
「なんで…」
なんで居場所がわかってしまったんだろう…。
アリスはそう思いながらゆっくりとラビに近づいた。
「…ご…ごめんなさい…」
アリスは少し悔しがりながらも謝る。
「ご無事ならいいんです。…では…帰りましょうか」
「え?!」
アリスとカイルとキオネは同時に声を張り上げる。
ラビは不思議そうな顔をしてキオネを見た。
「…キオネ様…申し上げにくいですが明日はお母様の……。ですから本日は…」
言いにくそうに、オドオドした感じで話す。
明らかに演じてるラビ。
そんなラビの言葉に首を降るキオネ…。
「構わず居てくださいませ!…私…心細くて…。明日の処刑も…ご一緒していただきたいの…」
キオネは今にも泣きそうな顔をして、ラビの袖をさりげなく引っ張る。