ブラッディ アリス
「お待たせしました」
一時間後…笑顔で戻ってきたラミアは、なぜか先ほどとは違う服装で登場した…。
「これから皆さんを寮舎『シフォン』にご案内いたしますね」
きちんと時間を守って集合した子どもたちが、好奇に満ちた瞳でラミアを見つめる。
「…皆さん…ちゃんと…ネームカードつけてますね」
ラミアはゆっくりと子どもたちの周りを歩きながら、一人一人を確認する…。
「えっと…この中で、15歳以上の子は…手をあげてもらえますか?」
「…え?」
ラミアの一言に、顔を見合わす子どもたち…。
15歳以上に該当すると思われる子どもが、何人か恐る恐る手を上げる…。
設定が15歳のアリスと、16歳のカイルも、黙って手を上げる。
「手を上げてくれた15歳以上のあなたたちは、ここで学ぶ内容が、15歳未満の子たちとは…違います。…というわけで、ここからは別行動。あなたたちの寮舎は『ミルフィーユ』です。それぞれ案内しますので、『ミルフィーユ』の子は…もうしばらく待っていてください」
ラミアは優しい笑顔でそう言うと、15歳未満の子どもたちに部屋を出るよう促した。
「ごめんなさいね。さっきみたく、この館内なら見て周っても構わないわ。隣の部屋にはお菓子がまだたくさん用意してあるから…どうぞ自由にしててください。……それから……」
部屋に残った15歳以上のメンバーの顔を一人一人確認しながら、ラミアは一番自分の近くにいた子どもに何かを渡した。