ブラッディ アリス


ラビが会話を聴いていた…ということは、もちろん必然的にジャックも聴いていたことになる。

「…それで?ジャックに会えた感想は?」

ラビが嬉しそうな顔でカイルに問いかけた。

「……こいつかぁ…って感じ。…ホントにラビと同じ瞳の色だったな…」

カイルは真っ直ぐ前を見据えながら、深刻な表情を浮かばせる。

「…鏡との再会はどうだった?アリス」

今度はアリスに、にっこりと笑顔で尋ねるラビ。

「…驚きましたわ…。まさか…こんな所にあるなんて…。思わぬ収穫ですわ。…必ず…アベル家に持ち帰ってみせます…」

アリスはニヤリと笑いながら振り返り、後ろから来るジャックをじっと見つめた…。





…甘い香りが覆う『お菓子の家』。

5度目のゲームのステージ…。


…少女はまだ知らない…。


罪なき純真無垢な天使たちの…泣血の楽園を…。




< 295 / 657 >

この作品をシェア

pagetop