ブラッディ アリス
ラビが会話を聴いていた…ということは、もちろん必然的にジャックも聴いていたことになる。
「…それで?ジャックに会えた感想は?」
ラビが嬉しそうな顔でカイルに問いかけた。
「……こいつかぁ…って感じ。…ホントにラビと同じ瞳の色だったな…」
カイルは真っ直ぐ前を見据えながら、深刻な表情を浮かばせる。
「…鏡との再会はどうだった?アリス」
今度はアリスに、にっこりと笑顔で尋ねるラビ。
「…驚きましたわ…。まさか…こんな所にあるなんて…。思わぬ収穫ですわ。…必ず…アベル家に持ち帰ってみせます…」
アリスはニヤリと笑いながら振り返り、後ろから来るジャックをじっと見つめた…。
…甘い香りが覆う『お菓子の家』。
5度目のゲームのステージ…。
…少女はまだ知らない…。
罪なき純真無垢な天使たちの…泣血の楽園を…。