ブラッディ アリス


「まぁ…嫌いな物は仕方ないわよね…」

ノーカは少し不安そうに、ザリチェを見て微笑んだ。

「うん…。私は好きなんだけど…」

ザリチェはじっとアリスを見つめながら、静かにスープを口に含む。

「…ご…ごめんね。アンジェラは好き嫌い激しくてさ」

何かを感じたカイルは、とっさにアリスをフォロー。

そしてアリスのスープの中からナッツだけを自分の皿に移した。

「ザ…ザリチェは本当に料理が上手いでしょ?私に『ご飯作ろう』って言うくせに、いつも全部自分で作っちゃうくらい料理好きなの。だから…私は本当に準備しかしたことなくて…」

場の雰囲気を変えようと喋りだすノーカだったが、それを頷きながら聞いているのはカナリィだけだった。


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