ブラッディ アリス


「…私はケーキとか…よく作るの。誰かの誕生日がきたら、私がケーキを作るわね!…それから…」


「ごちそうさま」

しばらく続いたノーカの話をさえぎり、アリスはガタンッと席を立つ。

「…テレビって見れるの?」

アリスは自分の使った食器を片付けながら、ノーカに尋ねる。

「……あ…、映画と歌番組しか見れないようになってる…けど…」

ノーカは少しムッとした表情でアリスに答えた。

「…そう。……じゃあ、ちょっと散歩でもしてこようかな…」

そう言ってアリスは食器を流し台に置いた後、ツカツカと玄関へ向かった。


「………外出は自由なんですか?」

オウルがアリスを目で追いながら、チラッとノーカを見た。

「…とくに規制はないわ。私たちにはね。…この施設内なら…」

明らかに不機嫌そうに、スープを飲みながらノーカは答えた。



「…そうですか…。では、僕も。ごちそうさま」

オウルはカイルに向けて、にっこりと笑う。

そしてアリスと同じく食器を片付け、玄関へ歩いて行った。



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