ブラッディ アリス



しばらくの間…アリスとラビは体を絡ませた。

アリスがクスクスと笑いながら、ラビの耳元でヒソヒソと囁く。





「白雪姫の好物…それは…真っ赤なりんご…」






「じゃ、買ってくるよ」

身だしなみを整えると、すぐさまラビは部屋を出た。


アリスはラビに、自分の計画を告げたのだ。

乱れた髪と服装を正すと、アリスも部屋を出て一階に下りた。
キオネとカイルの笑い声がだんだん大きくなる…。

「あら、アリス。大丈夫…ですの?」
「え?なにが?」
「カイルの話では、執事が怒っていらっしゃるみたいでしたので…」
「……大したことないわ」

仮にも王子だというカイルを、もう呼び捨てにしているキオネが、なんだか気に食わないアリス。
わざとカイルの横に座ってみせる。

「すごく仲良くなったみたいじゃない?」

アリスは頬杖をついて二人を見た。

「カイルってすごく面白い方ですのよ。それにすごく頭がよろしいの。…ふふ」

嬉しそうに話すキオネに、アリスは冷たく言う。

「知ってるわ。そんなの」

「…あ……そうですわ…よね…」

キオネは少し驚いたように目を丸くしていた。






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