ブラッディ アリス




「……きれい…」


寮舎を出ると、そこには満点の星空が広がっていた。

アリスは空を見上げ、一番大きく輝いている星をじっと見つめる…。


…ガチャ………バタン…


誰かが扉を開けた音に反応し、アリスは振り返った。


「…大丈夫ですか?…アベル公爵…」

寮舎から出てきたオウルが、アリスに妖しく微笑みかける。


「誰かに聞かれたらどうするの…。あなたの身が、危険になるわよ」

アリスはオウルを睨み、また星を眺めた。


「さすがゾディアックの方ですね…。私めの身を案じてくださるのですか…?」

オウルはクスクスと笑いながら、自然にアリスの横につく。

「…あなた……デルデ家の御曹司でしょ…」

アリスはそう呟くと、つられたようにクスクスと笑った。

「…よく…わかりましたね?」

驚いたようにアリスを見るオウル。

「……立ち振る舞いが、社長にそっくりだわ…」

「…父…に?…」


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