ブラッディ アリス



「…ザリチェとノーカから聞いていると思います。…今夜は…アンジェラとカナリィ…。
…君の相手は、私です」

アリスの目の前で、笑顔でそう言い放ったラビ。

「…え…?リーク…さん…?」

絶対ジャックが相手になると思っていたアリスは、驚きの表情を見せる。

「……カナリィはどちらに?」

ジャックはキョロキョロと家の中を見回す。

「…カナリィは部屋よ…。呼んでくるわ」

そう言って、ノーカはパタパタと階段を駆け上がって行った。


「二人ずつ…に、なったの?」

ダイニングから覗いていたザリチェが、さりげなくジャックに尋ねる。

「…今夜からね」

ジャックはザリチェに笑顔で返し、二階を見上げた。


「…あっ…!」

部屋から出てきたカナリィが、ジャックと目が合った瞬間青ざめる…。


「おいで。カナリィ…。今夜の相手…よろしくね」







< 333 / 657 >

この作品をシェア

pagetop