ブラッディ アリス


「……!」

ダイニングに座ってお菓子を食べながら、カナリィやノーカ、クレスタと会話を楽しんでいたタウティとザリチェは…ラビの発言に一瞬ビクッと反応した。

実は、ラビが来る直前…アリスとカイルの部屋の中を覗き、二人がいないことを確認していたタウティとザリチェ…。

みんなには「二人で話すことがあるから、部屋に入るな」と言われたことにしたのだが…。


「…兄さん…」

ザリチェは小声でそう言い、軽くタウティの足を蹴る。


もしも…二人がいないことがバレてしまえば……『連帯責任』として、全員どんな目に合うかわからない…。


「……わかってる……」


笑いながら会話をしている三人を横目に、タウティは対策を考える…。

その横で、リビングに立っているラビを、心配そうに見つめるザリチェ…。



ラビはしばらく二階を眺めた後、静かに階段の方へと足を向けた。









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