ブラッディ アリス
「…あれ…!」
「…ジャックね…」
向かいの出口から現れたのは…ジャックだった…。
かなりの距離が離れていたが、服装と雰囲気が確実にジャックだと示している。
吐きそうなほどの血の臭いが漂う空間を、アリスとカイルはとにかく走った。
「……ですよね…」
しかし突然、そう呟いたカイルが足を止める。
その目線の先には、二人の行く先に回りこもうとするジャックの姿。
だが…カイルの少し後ろを走ってたアリスは足を止めない…。
「向こうへ回って!先に戻ってて!」
「…ア…アリス?!」
「いいから!早く!戻って伝えて!あの二人に!」
カイルの横を一瞬で通り過ぎ、勢いよくジャックへと向かっていくアリス…。
「…本気かよ…」
カイルは仕方なく、アリスの言うとおり逆方向へと走り出す…。
その光景を見ながら、ジャックはニヤリと笑った。