ブラッディ アリス


「…あれ…!」

「…ジャックね…」


向かいの出口から現れたのは…ジャックだった…。

かなりの距離が離れていたが、服装と雰囲気が確実にジャックだと示している。


吐きそうなほどの血の臭いが漂う空間を、アリスとカイルはとにかく走った。


「……ですよね…」

しかし突然、そう呟いたカイルが足を止める。

その目線の先には、二人の行く先に回りこもうとするジャックの姿。

だが…カイルの少し後ろを走ってたアリスは足を止めない…。

「向こうへ回って!先に戻ってて!」

「…ア…アリス?!」

「いいから!早く!戻って伝えて!あの二人に!」

カイルの横を一瞬で通り過ぎ、勢いよくジャックへと向かっていくアリス…。


「…本気かよ…」

カイルは仕方なく、アリスの言うとおり逆方向へと走り出す…。


その光景を見ながら、ジャックはニヤリと笑った。





< 409 / 657 >

この作品をシェア

pagetop