ブラッディ アリス
ロビンの声量が突然大きくなったことに、アリスは少し驚いた…。
「……何をそんなに怯えていますの?」
アリスはゆっくりと体を起こし、窓ガラスに映るロビンの目を見つめる。
「……カナリィには会いたくないんです…。怯えてなんか…いません…。…会いたくない…」
顔を俯けたロビン…。
窓の外はもう薄暗く、辺りは不気味に静まり返っている。
「…じゃあ……どうして手紙を?…」
アリスは訝しげにロビンを見た後、ブランケットを体に巻いたままロビンに近づいた。
「…恐らく…クロウと読むと思ったんです…。クロウは頭がいいから、きっとメッセージに気づいてくれると思った…。そして…警察に届けてほしかった…。この施設の仲間の…命…守りたくて……」
すれ違う、それぞれの想い…。
満たされない欲望…。
「……僕と…カナリィは……母親が違うんです…」
ロビンは自分のことを語り始めた…。
カナリィと家族の関係。
両親の死。
村落での生活…。
残された多額の遺産…。