ブラッディ アリス
「…し…知らなかった……。ずっとテレビも新聞もない生活だったし…ファルやオウルは何も教えてくれなかったし……」
「…本物の『ロビン』で…間違いないみたいですわね」
アリスはそう言うと、クスクスと笑い出した。
「え?…あっ…!ど…どうして…?…僕のこと…」
困惑するロビンは、何かを恐れたかのように、アリスからサッと手を離す。
「…ふふ…。あなたのお姉様と、その幼馴染3人が…私と一緒にミルフィーユに入ったの。…この施設にいるあなたを助けに来たんだと言っていたわ」
「……っ!?」
ロビンは突然立ち上がり、焦ったように窓から外を眺めた。
「……じゃ…じゃあ…さっき初めて会ったときにはもう、僕のこと…わかってたんですか…?」
「…そうね…」
「……どうして…?…あなたはどうして、ここに来たんですか…?」
ドクンドクンと、ロビンの鼓動が激しく波打つ。
「…私はラピスラズリ公爵に相談されて…」
「……カナリィはっ!!…ほ…他に何か言ってましたか…?」