ブラッディ アリス




アリスの母リナリアは、困惑する娘の反応を面白そうに眺めていた。




それは今から約二年前の、夕暮れ時。





「本当よ。マリア家の『未来の泉』で見てきたの。自分の死ぬ日…死ぬ瞬間…」


リナリアはクスクスと笑いながら、自分の前にあったティーカップを手に取る。


「そんな冗談を言うために…私を呼んだの?お母様」

アリスは少し苛立ちながら、じっとリナリアの目を見つめた。



「まぁ…冗談かどうかは…半年後にわかること…。……とりあえず…あなたに話しておきたいことがあるの…」


そう言ってリナリアは紅茶を一気に飲み干し、真剣な眼差しでアリスを見つめ返した。










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