ブラッディ アリス


ラビの一言に、顔を真っ赤にして戸惑うナナリ…。


「…やっ……そ…でもっ…」


「ふふふ……なんてね…。…ちょっと言ってみたかっただけです…」

必死に言葉を返そうとするナナリを見て、ラビは笑いだす。


「……純粋な方なんですね。ナナリお嬢様」


にっこりと笑顔を見せるラビ…。

そんなラビに対し、ナナリの心臓はドクドクと速さを増していく…。


「……しっ……失礼しましたわ…。私…戻ります…。…食器は後で取りにきますわ…」


ナナリはバッと立ち上がり、足早に部屋を出て行こうとした。


「待って…!」


……パシッ……


ラビは慌ててナナリの腕を掴み、ナナリの体をグイッと自分の胸に引き寄せる。


「…すみません…ナナリ様…。…怒ってしまわれましたか?…」

「……い…いえ……怒ってなんか……」



…ドク…ドク…ドク…ドク…

「…怒ってなんか…いません……」




…ドクン…ドクン…





「…また……きますわ……」






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