ブラッディ アリス


「…シャルル夫人をおとしめたのは…キオネの命令ですの…?」


去ろうとするジャックに、アリスは尋ねた。



「…うーん…それもある…けど、そろそろかな…と思ってね…」


「…?」


「そろそろ…退屈だって思ってた頃でしょう?あなたも」



振り返るジャックの瞳に…窓から差し込む陽の光が滲む。


「目…ラビと一緒の色…」


アリスはそう呟くと、慌ててラビを見る。



兎のような薔薇色の瞳…。


吸い込まれそうな、深紅。




バタンッ…!



アリスがラビに見入ってる間に、ジャックは森小屋から出て行ってしまった。

「…あっ!」

ジャックを追いかけようとするアリスの肩を掴むラビ。






「…アリス…。…ゲームはまだ終わっていない…」






















< 92 / 657 >

この作品をシェア

pagetop