ブラッディ アリス
胸元を血で染めたアリスは、静かに服を整える。
「初めまして、ですね。アリス嬢」
その一言に、ジャックを睨むアリス。
「そんな怖い顔なさらずに…。私とラビはただの従者仲間です」
そう言うとジャックはタバコに火をつける。
アリスは目線をラビに向けると、説明を求めるように黙って見つめた。
「…そう…ただの従者仲間…。それ以上でもそれ以下でもない」
ラビはアリスに微笑みかける。
「…コソコソと連絡をとっていたのは…この男と…だったのね」
アリスは「ふぅ」とため息をつくと、ベッドから降り立ち上がった。
「…」
アリスは何かを考えながら、血の流れる床をじっと見つめる。
うっすらと視界に入る煙と、だんだん香るタバコの匂い…。
そのうちジャックは黙ったまま、扉に向かいゆっくりと歩き出した。