幸せをあつめて
思いをはせながら、そっとカーテンを開ける。

いた。今日も彼はいた。
彼は目をつむって深呼吸をしている。

お疲れ様です。
私は心の中でそっとつぶやく。

空を見上げた。
霞がかった春の空。ほどよく郊外にあるこの場所では、3等星くらいの星までならぎりぎり見える。

ふいに、涙がこぼれる。
私はどうしていつも、気がつくのが遅いんだろう。
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