粉雪
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「...さん...ろさん...」
...?
「おーい、花元心さぁーん」
びくっとして顔を上げる。
「まさか高校一番最初のホームルームでねてたんじゃないですよねぇーえ?」
顔を引きつらせながら教卓の後で黒板にチョークをつけたままの状態であたしを見る女の人。
あ、先生か。
いつの間にかクラスは生徒でいっぱいになっていて、
私に集まる視線。
そういえばさっき眠くなって....
寝ちゃったのか。
「おーい 花元さん~?」
顔を無理な笑顔で引きつらせながらチョークを置き、
眼鏡の位置を右手の中指で直す先生。
「え、あ、はい。はじめまして。」
ドッと笑い声に包まれる。
前の席ではあたしに振り向きながら二ヤけるモヤシ野郎。
何?あたしなんか変なこと言った?
ほんとじゃん。だって寝てたんだし。
今初めてあなたと顔合わせましたし?