粉雪


「もう、しょうがないわねぇ!じゃぁここまでの話は大塚君に聞いてちょうだい」
そう言いながら黒板と向き合い、チョークを滑らせる先生。


んー?
大塚君??
誰?

考え込むあたしの隣で声がした。
「あ、花元さん、聞きたいことあったらなんでも聞いてね。」

隣を見たら----

公園にいた---

あの人だった。



今あたしの隣で、
あの笑顔を見せている。



「え、あ、あ、はい。ありがと、ございまず、、、」

固まるあたしに笑いかける大塚君。

「あはは、そんな固まらなくても。」


いやぁ、だって普通こんなかっこいい人が目の前にいたら固まりますよ?


「う、いえ、あの、今日公園で...会いましたよね?」

んー? と一瞬考え込む大塚君。

すると思いだしたように目を大きく開く。
「あ!あの公園の前の自転車乗ってた人!?」

大きく笑いながらあたしを指さす。


「そう!覚えててくれてたの!?」

嬉しさが胸をいっぱいにする。


「あー、なんか眠そうな顔して自転車乗ってるなーって思って」
ちょっと悪戯っぽく笑う彼。


いやいや、眠かったんじゃなくてっ

あなたにうっとりしてたんです!!


--など言えるはずもなく...。

「はぃっ!?あたしそんな顔してないし!」

真面目に言い返す。


「ははっ ごめんごめん!」
笑いながらお腹を押さえる彼。



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