トラックで輝く君を

蜜菜ちゃんのお話 side Yuki

「結希ちゃん。
お弁当、食べよ-。」



蜜菜ちゃんが、朝からなんだか嬉しそうにしているのには、気付いていた。



「うん。」



最近、陸上部の田尾さんと仲良くしてる蜜菜ちゃんとお昼ご飯を一緒に食べるのはひさしぶりかもしれない。



「今日は田尾さんとお昼ご飯食べないの?」



「え?智美?いいのいいの。
あの子は無駄に友達多いらしくてさ、他クラスの人と食堂行くっていうから。
それに、今日尚香いないし。」



蜜菜ちゃんは優しい。

気もきくし、頼りがいもある。



マネージャー向きな人だなって、すごく思う。



「それに、結希ちゃんに相談っていうか、話したいことも山のようにあるの。」





お?

蜜菜ちゃんがそう言うのは、初めてのことじゃないかな?



尚香ちゃんと結希といる時は、絶対に聞き役になって、自分のことはあんまり話さない。

たまに、話したくなさそうに笑うから…いつからか、尚香ちゃんも結希も、聞き出そうとしなくなったし。



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