モナミ~現実との戦い~
あたしはまだ小学生で、受験には無関係。
でもあたしは兄より幾分出来が良かった。
あたしは小5の初めに英検5級をとり、小6で4級を取った。
テストでもそれなりの点数をとり、とりあえず親戚中の笑い者になることは無かった。
でも兄は違った。
兄はとにかくだらしない人で、中学に入り、受験が迫っても、なまけぐせが抜けることは無かった。
当然兄の成績は下がっていき、兄は親戚のなかで1番出来の悪い子供だった。
もちろん、親戚の人達が兄を表立って蔑んだわけじゃない。
それでも何かにつけて必ず勉強の話が持ち上がった。
そのたびに有名大学を卒業していった親戚達は言った。
『お前もこの大学に入れ』
『もっと勉強するんだ』
『親に心配をかけないようにな』
兄は追い詰められて行った
それはあたしも同じだった。