【完全版】HIDE&SEEK-心と心のかくれんぼ-
次の日。
私は変わらず勇将先輩と接した。
勇将先輩は優しいし、私のことをちゃんと想ってくれていることも分かっている。
でも…
あの人に向ける甘えた表情がどうしても頭を過ぎる。
「気良、なんか今日変やで。」
勇将先輩に言われ私は動揺してしまう。
「そっすか?」
「うん。なんか隠しとるやろ。」
「…別に。」
ってか、そっちこそ私に何か隠れてこそこそしてんじゃいの?
私は先輩をつっぱねて教室に戻ろうとする。
勇将先輩は突然私の手首を掴んで壁に体を押し付けた。
ここは屋上。
誰も来ない二人だけの空間。