僕と彼女のウラ事情


「ありがとうございましたー」



定員さんの声を背中に受けながら、
僕と美吉はコンビニを出た。

手には同じお弁当の入った袋を持って。


「・・偶然、だね・・」


「・・あ、うん」



私服の美吉をじっと見てしまったので、
返事が遅れた。・・・・恥ずかしいな。


僕は自転車を押してきて、ふと気付いた。



・・・美吉、表情がいつもと違う。



美吉の隣に来て、顔を見つめた。


・・元気無いってゆーか・・・、

我慢して、辛そうな顔・・?


・・・なんで・・・


「・・大輝君は、どこか行くの?」



美吉の声にハッとして答える。


「あ、えっと、塾行くんだ」

「・・・制服のまま?」


小さく首を傾げる美吉は小動物みたいだ。


「うん。さっきまでバイとしてて、
 着替えるのめんどくさいなって・・」



「・・ぷっ、大輝君
 がめんどくさいって意外」


そう言って笑う美吉の笑顔は・・、



・・やっぱり、いつもと違った。




「・・・美吉、何かあった・・?」



僕の言葉に、美吉はまた。




「・・大輝君にはお見通しだね・・」




     悲しげに笑うんだ。
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