僕と彼女のウラ事情






   『ほのかは此処にいる』





君の声と言葉を思い出した。



初めて名前を呼んでくれたのに、
本人は気付いてなくて。


自分から抱き締めたくせに、
私が抱きつくと真っ赤になってた。



・・大輝君は、今までの人と違うね。



そんなことが嬉しくて、
男の子へのメールなのに。


      ♥を使ってしまった。




ドキドキして、帰ってきた
メールを見ると。



〈大輝です。早速メールありがとう。

 美吉の元気がでてよかったよ。

 秘密は守るね。

 じゃあ、明日学校で。おやすみ 〉





メールを見た途端、笑ってしまった。

絵文字ゼロ。そっけないカンジ。


・・・こんな人、初めてだ・・・。



部屋の窓から空を見ると、星があった。


・・・夜は嫌いだった。

暗くて、一人ぼっちになるから。


ほのかは、ぎゅっとケータイを握った。




・・・・・でも、大輝君がいるなら。


一人じゃないって、言ってくれたから。



       怖くないよ。



そして私は、ケータイを持ったまま、

眠りに落ちた。

 
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