冷血王子に捕らえられた泣き虫姫【完】
ババ抜き
教室内に誰もいなくなった頃。

ヤツは動き出したのです。

ニヤつきながら……

ヤツは私達の前に来た瞬間、

声を発した。





「それでは……昨日言った……罰ゲーム有りババ抜き開催しまーす!!」


最初は小さな声で。
だけどだんだん大きな声になり、

最後には教室に響くよう大声になった。


彼女の声に続き、


『イエーイ!!』


という声も響く。


この教室にいるのは、
私と私の親友、

橘 香苗(タチバナ カナエ)
先程、私がヤツ呼ばわりしたテンションの高い人。

古殿 琉伊(フルドノ ルイ)
女王様キャラの美人さん。

時田 雫(トキタ シズク)
優しいけど、キレたら怖い、大人しめの財閥のお嬢様。


計、4名がいる。


「さぁ、さぁ、誰が負けるかなぁ」


なんてウキウキ気分の香苗に、何を思ったのか勝ち誇った顔の琉伊、心配そうな顔の雫。

そして、半泣き寸言の私。


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