へたれンパイア~バイオレンスな生贄~
「無駄よ!霧を隠れ蓑にするのが、アンタ達の常套手段なのは分かりきってるんだから…!!」
そう叫んで、半身だけ姿を現したソイツに隠し持っていた聖水を降りかける。
『japlm!!』
もちろん、それはタダの子供騙し。
それだけでヴァンパイアを滅する事なんて、到底出来ないけれど……こんなザコを一瞬怯ませるくらいだったら、十分な効果が得られる。
「何があったの!?言いなさい!」
聖水の力により、今はもうすっかりその正体を現した体を踏みつけ、口早に問うた。
そして、体中に瀕死の重症を追ったソイツを見てハッとするが…時、すでに遅し。
気付いた時には、さっきまで周囲を埋め尽くしていたあの死体は、すっかり灰と化して皆風にさらわれていた。
「チッ…」
その失態に軽く舌打ちし、足元にいるヴァンパイアをキッと見下ろす。
しかし、例によってソイツも酷い手傷を負っていて…最早、虫の息同然だった。
「死ぬ前に答えなさい!一体、何があったの!?」
それにひどく焦りを感じたあたしは、ソイツの胸元を強く踏み締めて問う。
…だが、逆にそれが悪かった。
その胸を強く踏みつけたばかりに、ヒールの先の十字架がソイツの胸に深く突き刺さり、一瞬の内に灰と化してしまった。