へたれンパイア~バイオレンスな生贄~
「……」
そんな自分の不覚さに一瞬呆然としながら、風に乗って流れていく灰を横目にガックリと肩を落とす。
『君はせっかちだからね…少し、落ち着いて行動した方がいい』
そして、こんな時に限って脳裏に蘇ってくる“アイツ”の声に、尚更頭を抱え悶えた。
「こんな失態が“アイツ”にバレたら、絶対またバカにされる…」
そんな嫌な想像に、一気にモチベーションとテンションも下がる。
…だって、わざわざ考えなくとも自然と頭に思い浮かんで来るのだ。
あの笑顔で人の弱味につけ込む‘いけすかない’姿が……
「うわ…っ!?何だここ…ゲホッ……ひどい砂埃だ!!」
「……」
「あ~、喉が痛いなぁ……って、あれ?結局、さっきの変な音の正体は何だったんだ?」
「……」
「あ!…って言うか、姉さん走るの早いね!?俺、流石に追いかけるの苦労したよ」
「………オイ」
「しかも、走ってくる途中で周り見渡したけど、やっぱり誰もいないし…」
「…オイ」
「あ~!!やだやだ!早く、こんな場所おさらばしたい……ん?何、姉さん?」
数度の呼び掛けにより、やっと聞く耳を持って振り返ったソイツの耳を掴みあげ、あたしは大声で怒鳴りあげる。