へたれンパイア~バイオレンスな生贄~
「いつの間に、そんなに進化した?あたしが知り得る限り、お前らに爪の伸び縮みの能力なんて無かったハズだけど…」
「…ゴート…ずっと、好きだった血。それノムと、オレたち強く美味しくなレる…」
探るような目付きで問い掛けてみたが、ソイツは答えない。
「でも、もうイナイはず…でも、もう目の前にイる…!」
あまつさえ、目の前のゴチソウにつられて理性をなくしかけていた。
ジャキン、と更に長く太くなる爪の大きさに、あたしは瞳を据えて覚悟を決める。
例えここで八つ裂きにされても、簡単に奴等は逃がさない
「そうよ、あたしはお前達の大好物の“ゴート”の生き残りだ。血が欲しいなら吸ってみな。いくらでもくれてや……っ…!!」
そう言い終わる前に肩口に深く刺さった牙に、全神経に痛みがはしった。
下級ヴァンパイアは、牙を刺すのも下手くそなら、血を吸うのも下手くそすぎる…ッ!!
ジュル、と吸われていく自分の血の感覚が、言葉に表せない嫌悪を呼び起こさせ、全身に悪寒をはしらせた。