☆三つ星☆
窓の外を眺めていた早苗はくるっと一貴のほうを向く。

「だからね、星を見るのが嫌いだった。たまに見ちゃうこともあったんだけど。」

一貴の表情も真剣だった。早苗の発言に耳を傾け、その一挙手一投足を逃すまいとしっかり早苗を見つめていた。

「茶化さないんだ?いつものキミなら、きっと茶化すと思ってた。何?今日は語りたい気分なの?って。」

早苗は俯き加減にそう言った。少し恥ずかしかったのだろう。

「茶化さないよ。そう思われてただなんで遺憾だな…。」

一貴は微笑み早苗の頭をポンポンとする。

早苗は嬉しそうに微笑み返す。
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