+†ヴァンパイアと紅いアザ†+
「ん、どっちがいいかなぁ?」
私は目の前のベーコンエッグと、海鮮サラダ、どっちを先に食べるか迷っていた。
ポスッ――――。
手を優しく、頭に乗っけられた。
私はこのおっきくて温かい手を、知っている。
チラッと見上げると、予想通り笑顔のレオンがいた。
レオンは“ばぁか”と、綺麗な唇を動かすと、部屋を出ていった。
「ばぁか」
私は、もうドアの向こうに消えたレオンの背中に呟いた。