恋の相手は俺様王子!?

体を張ったおかげだろうか、手当てをするってことで部屋の中に入れてもらえた。


嫌々だから、と態度で示しながらも、元が世話好きみたいだから、手当てをしなきゃいけないって気がしたんだろう。


「…挫いたり、してねぇな」

「大丈夫よ。 そんなに柔じゃないから」


僅かな痛みを感じる右足首を触られると、そこからじわじわと体温が上がっていく。


不思議なもので、好きって気づくまでは、肩が触れたり手が触れたりしても、気恥ずかしく思うことはあっても、体温がグングン上がるような症状にはならなかったのに。


意識してしまうと、ダメだね。

異常なくらい体温上昇中です。


「あー! 由梨ちゃんだっ!」

「陸君っ! 元気してたぁ!?」

隣の部屋から現れた陸君に、ガバッと勢いよく抱きつかれて受け止める。


「元気! 元気!」

「そっかぁ! 良かった〜」


たった1日ぶりの会話とは思えなくて、ちょっと苦笑いだ。


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