ファウンティンに捧ぐ歌
「剣崎、君?」

思わず呟いてしまうと、彼はビクッと体を震わしてから、ゆっくり振り返った。



その顔を見た瞬間。



私の頭の中に、夢の中でいつも顔が見えないあの人の顔がハッキリ浮かんだ。

草原の中、歌を口ずさみながら私に微笑み、手を差し伸べる人。



「……ソルジャー……」



私はそう言うと同時に、頭がクラクラして、意識を失った。

< 113 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop