オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
はっきり言うと、もっと綺麗な花はいっぱいあったから、あたしは博君に訊いてみた。
「博君、このお花のどこが気に入ったの?」
「見覚えがあったから。杏子お姉ちゃん、これなんてお花なの?」
お父さんが育ててたのかな?
でも、それなら名前くらいは知ってるはずだよね?
あたしは内心首を傾げながら、手前にある説明の立て札を見て……
一瞬、自分の体が凍り付いたかと思うほど背筋が冷たく感じた。
説明板に書いてあった品種名は――
『鳥兜《とりかぶと》キンポウゲ科トリカブト属多年草』
と書いてあったから。
これはどんな植物なのか、バカなあたしでも知ってるよ。
それを知ってるなんて……
博君……君はいったい!?
それもショックだったけど、もっと衝撃的だったのは。
博君……
もしかして、字が読めないの!?
鳥兜って漢字は仕方ないにしても、博君は解説板に記載された正式名の読み仮名のひらがなを見たはずなのに、あたしに名前を訊いてきたから。
「博君、このお花のどこが気に入ったの?」
「見覚えがあったから。杏子お姉ちゃん、これなんてお花なの?」
お父さんが育ててたのかな?
でも、それなら名前くらいは知ってるはずだよね?
あたしは内心首を傾げながら、手前にある説明の立て札を見て……
一瞬、自分の体が凍り付いたかと思うほど背筋が冷たく感じた。
説明板に書いてあった品種名は――
『鳥兜《とりかぶと》キンポウゲ科トリカブト属多年草』
と書いてあったから。
これはどんな植物なのか、バカなあたしでも知ってるよ。
それを知ってるなんて……
博君……君はいったい!?
それもショックだったけど、もっと衝撃的だったのは。
博君……
もしかして、字が読めないの!?
鳥兜って漢字は仕方ないにしても、博君は解説板に記載された正式名の読み仮名のひらがなを見たはずなのに、あたしに名前を訊いてきたから。