オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
ショッピングモールの南側駐車場はバイパスに面していて交通の便もいいし、あたしたちが学校帰りに寄るスポットが集中してたりする。


だけど、なんであたしは電波バリ100のヲタク男と歩いてるんだろう……。


美少女萌えキャラの等身大ポップを抱え、今にももつれそうな足つきで嬉しそうに歩いてるヲタ男(お)の後から6mは離れて歩きながら、あたしは大きなため息をついた。


左手を心持ち上げ、腕の裏側にはめた腕時計をチラリと見た。


地獄の時間ほど経つのが遅いのは、あたしの気のせい?


あたしの家はショッピングモールから徒歩10分圏内だから、ゆっくり帰っても6時半には着いちゃうだろうし。


ここでエスケープしたいのは山々だけど、ユリの怒りも怖かったし、明日いろいろ聴かれるのは絶対だから。


ここはひとつあたしがあの萌えヲタ男の趣味に譲歩して、ゲーセンあたりにでもいこうかな。


ゲーセンならあまり手持ちがないあたしでも好きなぶん遊べるし、ヲタ男をほうっておいても言い訳できるから。
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