オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
2
翌日の学校であたしは何も耳に入らなくて、午前の授業だけで3回も注意された。
お昼休みに入ってからユリが声をかけてきたから、一緒に学食に行こうと財布を取り出した。
放送部のケンはともかく、チカとマリリンはどうしたのかな?
そういえば、最近チカの様子がなんか変なんだよね。
朝お迎えにもこないし、ここ1週間ばかりはケンと一緒の姿を見たことがないし。
それに、話しかけても上の空で、気分が悪いからって早退したことが2回もあった。
気になって家を訪ねても居留守を使うし、電話にもでない。
あたしは気になってチカを探そうと思ったけど、どうしてかユリはあたしの腕をぐいぐいと引っ張って走る。
「ほら、早くしないとキャンの好きなA定食なくなっちゃうよ」
そう言いながら階段を降りた途中の踊り場で……
あたしとユリはケンに会った。
ケンは気まずそうに目を逸らし、何も言わずにあたしの脇をすり抜けたけど。
彼の後ろには見たことない女の子がいて、あたしたちをチラリと見てきた。