オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】




翌日の学校であたしは何も耳に入らなくて、午前の授業だけで3回も注意された。


お昼休みに入ってからユリが声をかけてきたから、一緒に学食に行こうと財布を取り出した。


放送部のケンはともかく、チカとマリリンはどうしたのかな?


そういえば、最近チカの様子がなんか変なんだよね。


朝お迎えにもこないし、ここ1週間ばかりはケンと一緒の姿を見たことがないし。


それに、話しかけても上の空で、気分が悪いからって早退したことが2回もあった。


気になって家を訪ねても居留守を使うし、電話にもでない。


あたしは気になってチカを探そうと思ったけど、どうしてかユリはあたしの腕をぐいぐいと引っ張って走る。


「ほら、早くしないとキャンの好きなA定食なくなっちゃうよ」


そう言いながら階段を降りた途中の踊り場で……


あたしとユリはケンに会った。


ケンは気まずそうに目を逸らし、何も言わずにあたしの脇をすり抜けたけど。


彼の後ろには見たことない女の子がいて、あたしたちをチラリと見てきた。


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