オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
2
お泊まり会をした一週間後――。
ユリとジュン君の間でとんでもないトラブルが発生した。
あたしがその話を聴いたのは、早朝にかかってきたチカからの電話経由だった。
「ええっ!ジュン君が仙台に戻されるかもしれないって!?」
あたしが事情を訊くと、ジュン君の母方の実家がこの件を知って大激怒。
当然猛反対されて、結婚どころかユリが子どもを生むことさえ許さないと強く言ってきたらしい。
今ジュン君が一高に寮住まいで通えてるのも、彼に期待する母方の実家の援助があってこそ。
そんなだから今度の件は寝耳に水。
一高に行かせたのも、将来跡継ぎとして糸織グループの会社に入社させるためだったから。
その在学中にどこの馬の骨とも知らない魔性女が、純真な可愛い孫をたぶらかし、身ごもった事をタテに結婚を無理やり承諾させた。
どうやら糸織家の方じゃそういう筋書きで受け止められているらしい。
冗談じゃないわよ!
あんなに純粋に愛し合ってる2人に、なんてひどい……。